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素敵な私を見たら、彼は興味を示すと思ったの……

 

 


友達と遊びに出かけた。


近くにある、最近話題の地元のインスタスポット。
インスタグラム……若者を中心に流行している、写真メインのSNSだ。

インスタグラムに掲載するのに人気のスポットを「インスタスポット」なんて呼んだりする。

地元の小さな場所だけれど、いんすたスポット。



何本もあるひまわりをバックにかわいい写真を撮影するのが、周りで流行している。


行こうと言いだしたのは、私。

電車を乗り継いで行く中で友達は「美味しそうな飲食店が近くに無い」だの、なんだか不満を言いはじめる。


目的地のインスタスポットで、他の人たちがどんな写真をあげているのかをチェックする

私はどんなポージングで撮影しようか。

「ねぇ、ねぇ。この定食屋美味しそうだよ。私の嗅覚がそう言っている」
そんなことを言って移動中に見せてきた友達。
けしてオシャレとは言えない定食屋で、スポットの最寄りの駅みたいで……

「えぇ?……」

オシャレじゃない。


私の反応を見て、友達はイラっとした表情を見せる。


「なによ。スポット付き合うんだから、こっちにもつきあってよね」


渋々、しょっぱい定食屋の夕飯が決まる。



写真スポットに到着すると、
ちょこっと向日葵があるだけの、他に特に何もない景色。

うまく切り取り撮影をすると素敵に見えるのだろうけれども、なんだか寂れた場所だった。

ここなの?

と言いたげな友達に被せるように、私はひまわりに囲まれてポージングをとった。

(撮影:比良井しほり 撮影機材:Lumix GF1)

 


「私のスマホ渡すから、撮影してくれる!?」



インスタは大切。

ずっと好きだった彼と、インスタのアカウントをフォローし合った。
一緒に居た友達も彼とアカウントのフォローをし合っていたのはなんだかなって思うけれど…

大丈夫。
私の方が、かわいい写真が多い
私の方が綺麗な写真が撮れている


向日葵に囲まれた、元気でかわいい私

演出はこれ!

これに決まっているんだ!


何度も何度も撮り直してもらって、ようやく神降臨な一枚。
ひまわりの中で微笑む私。

いいね。
最高!



彼はきっと私のことをもっと意識するはず。




帰りは最寄りの定食屋で夕飯。
確かに美味しかったけれど、おじさんが食べそうな昭和感がある定食屋で、茶色の食材がなんだか多くて

おしゃれじゃないし
かわいくもない


友達は

「うんまっ! これ、インスタあげよ!」

と、パチリ撮影。

こんな茶色のもの撮影しても、インスタ栄えなんてしないのに。
なにしているのかしら



そんなことを内心思いながらの帰宅。



数日後。

なぜか友達の写真には彼からの「いいね」がついて
私の方にはつかなかった



なんで?!



なんで!?


だって、全体的ないいねの数はずっと私の方が上なのに!?


なんで!?



なんであんな茶色の写真に彼は「いいね」をして
私の方にはしないの!?



なんで!?




インスタでなんだかもやもやしてきたら



会いにきてください。


一緒に考えていきましょう!